2007年07月20日

花火

横浜の国際花火大会が、
台風の影響ということで中止になった。
毎年、1年の中のひとつの大きな行事として
楽しみにしていた日だったので、
なんか力が抜けてしまった。

淋しさを紛らわそうとして、
7月4日のアメリカの独立記念日の
花火を想い出していた。

N.Y.滞在中に、たまたま居合わせた
この特別な日には、
街中の人がマンハッタンの中心に
集まり始め、お祭り騒ぎだった。

この日、私は、
五番街から少しだけ離れた
アパートメントホテルの屋上にいた。
屋上は、きれいにイルミネーションで
飾られていて、
たくさんの人が花火を見に訪れていた。

ビルの合間から見えた花火は、
日本の夏を思わせるそれではなく、
アメリカの国旗を想像させる
きらびやかな、様々な星型の光だった。

クライマックスの頃に、
ルイ・アームストロングの
What a wonderful world が
鳴り響いた。
体全身で、アメリカを感じた一瞬だった。

様々な国籍の人たちが、
一緒に、この独立記念日を祝っていた。

抱き合って空を見上げる若い2人。
喜びと悲しみの両方ともとれる表情で
見つめる老夫婦。
子どもと一緒に大声で
曲に合わせて歌っていたスパニッシュ系のママ。
それぞれの人の感動の渦の中にいると、
まるで私までもが、アメリカ人のような
気分になっていた。

確かに、この曲にぴったりの夜だった。

「なんて素晴らしい世界なんだろう」

こんな気持ちになれた自分が
とても久しぶりであることに気付いた。

それでも、この国の戦争は
まだ終わっていない。
変わり始めている世論の中、
ここに集まった人は、
このアメリカの姿を、どう捉えていたのだろう。
そんなことを感じた日だった。

そして、インディペンデンスという言葉の意味を、
自分の生き方と照らし合わせた日でもあった。

投稿者 椎名 あつ子 : 11:42

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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