2007年07月アーカイブ

2007年07月17日

I believe I can fly

N.Y.から帰ってきた。
私の生まれた、この日本に。
そして、大切な人たちが待っている、
この場所に。
ベティーとココは、
スタッフや友達に守られ、支えられ、
いい子で元気でいてくれた。

10日間の時間の中で、久しぶりに私は、
たくさん、歩いた。
たくさん、笑った。
たくさん、学んだ。
たくさん、感じた。
そして、少し、泣いた。

N.Y.は、大きく、熱く、
私の前に、毎日のように
そびえ立ってきていた。
街の中に、普通の生活の空間に存在する
N.Y.大学では、
私に、学ぶという基本の意味を
激しくたたきつけた。

また、大きな大きな体と、
強すぎるパワーの黒人バンドの
響き渡る声のゴスペルの音楽の中に、
天に向かって信じるという
救われ方を学んだ。

ミュージカルでは、
彼らの誇りと、
今、この時期を精一杯、
その主人公にひたすらなりきり、
演じる生き方に圧倒された。
今は、自分のすべて。
明日は、分からないという
危機感の中での
生き様と美しさ。

MoMA(近代美術館)では、
私の部屋に飾ってある、
アンリ・ルソーのジプシー女の
本物に会えた。
本物は、やはりいつも
本物であるということ。

N.Y.の人たちにまぎれ、
テイクアウトのランチを食べ、
私もスニーカーで歩き続けた。

やはり、この街は、
止まってはいなかった。
前に前に進もうとする人たちだけを
受け入れている気がした。

ここは、食うか食われるかの世界だと
思っていた。
勝ち組の世界だと思っていた。

でも何か今回は、少し違って見えた。
進歩することを諦めない人たちの
街なんだと思った。

帰国してから、
今まで経験しなかった新たな刺激に、
私はこてんぱんにやられたまま、
小さな小さな自分の世界に
反省しっぱなしで、
時差に苦しみ、
この一週間、旅の疲れと、
ONとOFFの切り替えに
葛藤していた。

N.Y.は、昨年の私の365日の生活を、
そして考え方を、
たった10日間で変えてしまったように
思えた。

人を気にし、
年齢を気にし、
世間を気にし、
仕事のあり方を気にし、
時に将来に不安を感じ、
自分の引き出しの中の物が
少しずつ減り始めていることを、
忘れようとしていた自分、
忙しさを理由に、
見ないようにしていた自分を、
認めさせてくれた。

私は、自分を信じきれていなかった、
ということに、気付かされた。
私は、私という生き方を
もう少し信じてみようと思っている。

「I believe I can fly」

黒人と一緒に歌った
あの歌とあの時間を、
忘れないためにも。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:23 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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