2017年05月18日
夫婦カウンセリングにおけるコミュニケーションの問題
毎日、たくさんの夫婦のカウンセリングを
行っている中で
よくある問題について
書かせて頂きます。
ここ横浜心理ケアセンターでは、
他のカウンセリングルームでは
なかなか行われていない
夫婦同席のカウンセリングも
やっております。
初回は、みなさん90分を
最低時間としてとっていただく中、
この90分を
奥さま30分、御主人さま30分、
そして同席30分という形に
することができます。
お一人様30分が短いと感じられる方の場合、
トータル120分で行うことも
可能です。
(料金は別となります)
2回目以降は、
夫婦別々に何度か行ってから
同席のカウンセリングを
勧めさせて頂いております。
(もちろん、
同席主体でも大丈夫です)
なぜ、夫婦別々に行ってから
同席の形をとることを勧めるのかと言いますと、
まず最初に別々に行う理由としては、
その人の言い分をきちんと聞くことが
その人自身を私がよりよく知る意味で
大切となっていきます。
そして、お二人の性格を理解した上で、
同席していただいております。
つまり、それぞれの言い分を
カウンセラーである私が聞いておりますと、
やはり片方だけの意見だけだと
価値観や性格の違いで、
そういった意味で言ったのではないのに・・・
といった言葉の表現や言い回しにより
相手の捉え方が大きくずれている場合が
本当に多いと感じるからです。
片方だけの話で
カウンセラーがその人に共感してしまうと
客観的な判断や、
カウンセラーとして平等な立場が
あやうくなっていきます。
夫からのことばで妻が傷ついている場合、
すぐにこれはモラルハラスメントであると
思いがちで、
カウンセラー側も
夫は加害者で妻は被害者といった
感覚で見てしまうことになります。
これは、プロのカウンセラーとしては
危険な状況となります。
つまり、間に入ったカウンセラーが
夫婦をもっと敵同士といった感覚に
させてしまう場合があるからです。
先日来たご主人は、
論理的に筋道を立てて話す性格で
その言い方が妻から見ると
冷たく指摘され、いつも上から
権威的に否定されているように
感じてしまっていました。
しかし、ご主人からの話を聞くと、
きちんと理由を言って
論理的に説明する方が
わかりやすいし
理解されやすいと思っていたと
いうこともありました。
しかし、ご主人が論理的に
説明すればするほど、
妻は、押さえつけられていて
苦しめられているという感覚でしか思えず
傷ついていたのです。
何度か別々のカウンセリングをして、
お互いの言い分をよく聞いてから
お二人同席のカウンセリングを行いました。
その時、私カウンセラーの仕事は、
感情が平行線になってしまっていて
伝わりにくくなっているお二人の
通訳係ということになります。
奥さんはこんなにも傷ついて苦しんで
悩んでいるのだという状況を
ご主人に説明し、
○○してほしいと考えていることを
伝えていきます。
また、ご主人はこういった気持ちで
本当は伝えたかったようですと
奥さんに伝えていきます。
最初は不信感と疑いの感覚を持って
お互いはいるのですが、
少しずつ、
お互いの性格の違いからくる
捉え方の感覚の違いということに
気づくようになります。
気づくことができるようになると、
徐々に
もっと知って理解してみようという
気持ちも生まれてきます。
そうして、お互いの価値観や
性格を受け入れられて
絆が深まっていきます。
こういったご夫婦は、
今までに何千組もいらっしゃいます。
変わっていくご夫婦は、
柔らかな表情となり
そこにはお互いで乗り越えられたという
信頼感が芽生えていきます。
もう無理かも・・・
と思われているお二人へ。
まだ、本当は終わりではないのかもしれません。
一度、勇気を持って
カウンセリングの扉を
叩いていらっしゃいませんか。
投稿者 椎名 あつ子 : 16:06
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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