2009年10月アーカイブ
2009年10月21日
女優
映画「ココ アバン シャネル」は、
私を、5ヶ月前の
パリ一人旅の想い出へと、
フラッシュバックさせてくれた。
「アメリ」の主人公の
女の子役だった女優さんが、
ココを演じていて、
女優さんは、大人の女性へと
大きく変身していた。
8年前の「アメリ」とは、
あまりにも違っていた。
役柄とはいえ、
フランス人のすごさに
圧倒された。
映画が終わって、
DVDの中古店へ行き、
「アメリ」を買った。
そこには、少女の初恋を、
やさしく、かわいらしく演じている、
なつかしい映像が流れてきた。
かわいい姿と、大人の姿。
女優は、それぞれのドラマを、
それぞれの時代に応じて、
自分の生き方とは別に
演じていく仕事。
ココ シャネルの人生を感じる前に、
ひとりのフランス女性の
女優としての8年間の時間を
感じた時間だった。
ひとつの仕事を続けるとは、
変化が必要で、
つまり、こういうことなんだと、
なんとなく納得し、
そしてまた、考えさせられた休日だった。
ココ シャネルの生き方が、
大きな変化と変身であるように、
人は変化して、変身していく。
そして、その姿が、他の人を
感動させるのかもしれないと思えた。
いい映画といい女優に出会えて
よかったと思えた作品だった。
2009年10月14日
絵本
「ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない」
という新刊の絵本を見つけた。
ぐりとぐらのシリーズの絵本は、
私が小さいときも、
そして、私の娘の小さいときも、
必ず、本箱に存在していた
なつかしい本だ。
赤いねずみと青いねずみは、
ユニークな表情で、
心がやさしくなっていく感覚がある。
子どもの頃に戻れたようで
ほっとする。
おまじないの本の中にあった、
1つの歌が、目にとまった。
「はずかしくて
しんぞうが どきどき するときは
しずかに そっと 手をあわせ
ちちんぷいのぷいぷいぷい
ぷいぷいぷいは
ききめあり」
これは、大人にも、
時には必要なおまじないの気がした。
淋しくて涙が出そうになったら…
人目が怖くて、落ち着かないときは…
不安で仕方ないときは…
そう、静かに両手を胸において、
自分にそっと言い聞かせてみる。
ちちんぷいのぷいぷいぷい。
何故か、どこからか、
ちゃんとした強い力が、
自分の身体の中に
入り込んだような気がするのは、
私だけかな?
子どもにもできるのなら、
私もやってみようと思えた。
大人にも必要なメッセージが
絵本の中にはたくさんあることを、
改めて感じられた、
素敵な1冊の本だった。
( 「ぐりとぐらのしりとりうたとおまじない」より一部引用)
2009年10月09日
マイケル・ジャクソン
今晩から明日にかけて、
台風18号が来ると、
テレビ、携帯など、
たくさんの情報が入ってきていた。
私は、天気予報は
あまり信じていないところがあり、
強い雨が降る予報を無視し、
傘も持たず、夜、
よく行く店に出かけた。
嵐の前の静けさといわれているように、
静かな夜だった。
そのお店は、やはり
誰もお客さんはいなく、ガラガラで、
お店の人たちだけが暇そうにしていた。
お店のスタッフの中年の方が、
わざわざDVDを流してくれた。
マイケル・ジャクソンの
30周年のチャリティーコンサートの
映像だった。
たくさんの大物歌手が、
観客席に座っているマイケルの前で
歌っていた。
たくさんの観客でにぎわい、
大物歌手たちも、
自信に満ち溢れていた。
彼らをこのチャリティーに
呼び寄せられるマイケルの人脈、
規模の大きさ、
そして、彼の観客席での
子どものような表情…
確かに彼は、
最高のエンターティナーだったと思った。
彼の行動、少年愛の問題、
いろいろな面で騒がれ、
叩かれた時代もあったけれど、
彼はやはり大物の中でも、
飛び抜けてビッグな存在だった。
真っ白な顔、
人形のようなメーク、
そして、ロボットのように
計算されつくした体の動き…
誰もが彼を認めていた。
なのに、マイケルはもういない。
静かすぎる夜、
そして淋しすぎる店の
プロジェクターから流れる
マイケルの歌声に、
涙が流れてきた。
マイケルが亡くなってしまったらではなく、
彼のエンターティナーとしての才能に、
それにすべてをかけた人生に、
残されたファンの想いに、
いろいろなものを感じてしまった。
ものすごい音と共に、
雨が降り出していた。
「傘がない」と思いつつ、
なんと台風の夜に
ふさわしい人なんだろう、マイケルは…
と、妙に感心したりした。
2時間近くたって、夜中も過ぎていた。
もう雨は降っていなかった。
やはり、傘はいらなかった。
雨の音と、マイケルの声とを
同時に楽しめたこの時間が、
私には新鮮に思えた。
本当に刺激的な日となった。
マイケル・ジャクソンよ、
永遠に。
I love you.
2009年10月07日
うさぎ
十五夜の日の、
月の中のうさぎのことは、
先日、ブログで書いたばかり。
まさに、十五夜の日の土曜日。
その日は、夕方まで雨が降っていた。
仕事が終わって、
知人の絵のオープニングに、
黄金町まで出かけた。
黄金町という、昔、売春宿だった街は、
その跡地を、横浜市が
一斉にリニューアルを呼びかけ、
新しく生まれ変わっていた。
そこでの展示ということもあり、
とても初々しい感覚で
観ることができた。
彼の絵は、とてもとても大きく、
青の世界、一色だった。
大好きな青の色に刺激を受けて、
生まれ変わった黄金町の街を
ブラブラしていると、
昔の売春宿跡地の部屋に住み出した
ひとりの老人の家の入り口から、
一匹の小うさぎが
ピョンピョンと飛び出してきた。
どうも、散歩の時間らしく、
老人は、心配することなく、
「帰ってくるから」
と、普通に話していた。
うさぎが、自分で散歩するなんて…
とにかく驚きながら、
笑える光景だった。
かわいいうさぎ どこへ行く
ちゃんとおうちに 帰るのよ
そんな作り歌を勝手につぶやいていたら、
その頃にはもう、大きな満月が、
くっきりとあらわれていた。
月の中にうさぎが見えなかったのは、
そういうことかと、
後になって気が付いた。
あのうさぎは、月の中から、
十五夜の日、私の目の前に
あらわれていたのだから。
きっと、あの老人は、
うさぎを月の中によみがえらせた
神様だったんだ。
またまた不思議な日。
ススキとお団子を
ちゃんとお供えした効果かな。
青の世界といい、
街を散歩するうさぎといい、
おとぎ話に出会えたような日となった。
2009年10月02日
お月見
10月3日に、十五夜を迎える。
月を眺めながら収穫を祈る、
月を感じながら感謝するといった、
日本独特の風習を、
美しいと知りつつ、
毎年、忘れかけていた。
すすきや月見だんごを飾ることも、
そして、月の中に
うさぎがいると言われていたことも、
悲しくも美しいお話があったなんてことは、
今まで知らなかった。
ある日、食べる物がなく、
お腹をすかせた老人が、
うさぎときつねとさるに、
食料を獲ってきてほしいとお願いをした。
一生懸命頑張っても、
自分だけが何も獲ってこられなかったうさぎが
悩んだ挙句、
どうか私を食べてくださいと、
火の中に入って、老人に身を捧げた。
3人の行いを知ろうとしてお願いをした、
実は神様だった老人は、
それを知って、うさぎがかわいそうになり、
月の中にうさぎをよみがえらせた…
ということらしい。
10月3日土曜日の夜、
美しい月が出ることを願いつつ、
お月様の下で、
私もワインでお月見をしよう。
すすきを買って、おだんごを作って…
ベランダに出て、
しっとりと、秋の夜を楽しもう。
何かに追われて過ぎていく時間の中で、
忘れかけていた静けさを、
もう一度、感じよう。
今日は、雨の日の金曜日だけど、
実りの雨よ、もっともっと降って、
そして、明日は、
素敵なお月様に会えますように。
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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