2010年03月05日

児童虐待について

5才の息子に食事を与えず、
餓死させた両親逮捕の記事を読んだ。

今年から、朝1回の食事と水しか与えず、
歩けなくなった子どもにおむつをつけ、
寝かせていたという。
顔などにも複数のあざがあり、
死因は飢餓による急性心不全とみられている。

母親は、
「息子が物を食べず、かわいくないので、
そのまま放っておいた。」
と言っているらしい。

同じ新聞の記事の中に、
親からの虐待から、
児童養護施設に保護され
生活している子どもたちが、
全国に約3万人いると書かれていた。
これはまだ、虐待を受けている子どもの65%で、
それ以外の子どもたちは、
いまだ、親と生活をし、
虐待を受け続けているということになる。

こういった状況の中、
母親や父親が虐待をしてしまっている原因を探り、
両親の精神的なケアをしつつ、
子どもへの愛情のある育て方を
アドバイスしたり、ケアをするのは、
私たちカウンセラーの仕事でもある。

「嫌いな元夫に似た子どもを愛せない」

「子どもは好きではなかったけれど、
出来てしまったから仕方なく産んだけれど、
めんどうくさい」

「子どもへの愛情のかけ方が分からない」

「子どものせいで不幸になったとしか思えない」

と訴える様々な母親たちは、
ほとんどが、自分たちの生い立ちや、
育てられた環境に、
問題がある場合が多い。
母親たちが、自分の母親をいまだに憎み、
恨んでしまっている現状がある。

虐待を受けている子どもを1日も早く救い、
安全な場所で生活させることは、
第一に考えなくてはならない問題ではあるけれど、
つらい過去を、ひたすら抱えてきた両親を、
ただの加害者としてみるのではなく、
同じ被害者として受け止めていくことが
必要となっていくと、痛感する。

もし、自分が子どもを虐待してしまっていると思ったら、
勇気を出して、どうか、誰かに、
相談して欲しいと、心から願う。
あなたたちも、子どもと一緒に
安心した環境で守られ、
生きる権利があるのだから。

経済的に不安定な今の社会の中で、
少ないお金で子どもを育てていくことが
どんなに大変で、ストレスのかかることかを、
一度、理解した上で、
子どもとは、これからの社会にとって
財産であることを
あらためて考えたいと思っている。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:07

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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