2010年10月21日

ああ、フランス

大好きな国、フランスをもっと身近にするため、
フランス語の語学学校に通うことにした。
5年計画で話せるようになることが、
目標だ。

先週が、初めてのレッスンだった。
10年ほど前、一度、プライベートレッスンを
フランス人から受けていたことがあったが、
全くというほど、フランス語を使うことの機会がなく、
すべて、忘れ去っていた。
これが、二度目のチャレンジとなる。

これからフランス語を必要とするらしき
若い人たちが、多分たくさんいて、
私は確実に、年齢的にも、
ひとりで浮くのだろうなと覚悟しつつも、
年の差を、他の生徒たちが、
とてもすごく感じないように、
大分無理をして、若作りをしようと、
2、3日前に決心した。

顔のしわは、どうにかお化粧で隠せたし、
白髪も、髪の毛を染めることで大丈夫。
私は少しドキドキしつつ、
久しぶりのスクールというものに
はしゃいでいた。

が、しかし、忘れていたことが見つかった。
これは、大きかった。
大きく、自分自身にダメージを受けた。

私はもう、老眼が必要となっていて、
メガネがないと、
小さな字が、よく読めないのだ。
ひとり、老眼鏡をかけていたら、
これは致命的だ。
年齢が、何となく分かってしまう。

人生とはやはり、こういうものだ。
夢は、ことごとく壊された。

私はやはり、ありのままの自分と
向き合うこととなった。

レッスンが終わり、
若い人たちに囲まれての授業は、
正直、とても楽しかった。
今までにない刺激があった。
ただ、使っていない、暗記するという部分の脳が、
急にグルングルンと、さびついたまま動き出したようで、
疲れ果てた2時間だった。

レッスン後、急にお腹がすき、
近くのラーメン屋さんで、
餃子とラーメンを食べた。
久しぶりの勉強に疲れ果てた脳が、
お腹がいっぱいになる頃には休み始め、
動かなくなり、
餃子ラーメン定食によって、
今日のすべての単語とフレーズは、
はかなく記憶から去っていった。

私の脳に残っているのは、たったひとつのフレーズ、

ア・ヴィアント(また会いましょう)

という別れの挨拶だけとなった。

5年計画は、あっという間に終わりを告げ、
10年計画へと変更せざるを得なくなった。

10年か。

私に、そこまで忍耐力があるのか、
今、ありのままの自分に
問いかける日々となりつつある。

フランスは、私にとって身近であったのに、
急に、遠い宇宙の果ての星となり、
フランス語をペラペラ話すフランス人は、
私にとって、宇宙人となっていた。

すごい1日となっていた。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:51

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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