2017年07月04日

性同一性障害と愛の形

10年来の友達の起業と結婚祝いを
私の家でしました。

その人は、性同一性障害と診断されていて、
10年以上思い続けていた
大切な愛する人がいました。
その人は、何回も
一言では言えないつらい手術を
愛する人のために行い、
やっとその人の望む性別となり、
愛する人と法的にも結ばれました。

性同一性障害という
障害があることすら
本人が当時は知らず、
若い頃から性別に苦しみ、
絶望し、自暴自棄になり、
死を望みながらも、
死にきれず、
生きる希望すら見いだせず、
ただ生きていた時代があったと
言っていました。
その人は、夢を捨て、
どうでもいい生き方を
若い頃はし続け、
中学さえもあまり行かず
ただ自分の生まれてきた性別を恨み、
運命を恨み、
親を憎み、生きてきたと言っていました。

ある日、10年程前、
その人が私に自分の状態を
カミングアウトしてくれた時から
本当の友達となり、
今の関係となりました。
その人は、愛する人のため
寝る時間を割いて仕事をし、勉強をし、
今の仕事の資格をとり、
やっと自分の事務所を開き、
愛する人と法的にも結ばれ、
結婚しました。

高い高い空からおりてきたような、
地獄から這い上がったような、
果てしない奥深い感情の中から、
ひたすら信じ続けた結果の
“愛”の形でした。

私は、これを美しく、
真実の現れだと感じてやまないのです。
こんな愛の形が存在するのかと
思うほどの愛の形を
その人は私に示してくれたのでした。
その人は、
愛するその人が自分を変えてくれたと言い、
いつも「感謝します」と、
この私にも伝えてくれています。

望まない性別で
苦しんでいる人、絶望している人、
そして本当の愛を求めている人、
その夢を手に入れた人がいます。
命をかけて努力し続けて、
そして、守り続けた結果、
私たちは誰もが、
自分が自分らしく生きるために
達成するエネルギーを
持っているのだと、
その人を見て心から思えます。
その人は、神様が
私に与えて下さった大切な友達だと
思っています。

私は、本当に人が生きていくうえで
大切なことを
その人から教えられた気がしたのでした。

Kさん、心からありがとう。
そして、神様に感謝します。
とても、素敵な一日でした。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:28

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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