2026年09月アーカイブ

2026年09月02日

9月になれば

暦の上では秋になりました。

まだまだ暑い日が続いていて、秋という言葉が少し遠く感じられるけれど、朝夕の風や、日の暮れる早さに、少しずつ季節が変わっていることを感じます。

9月になると、私はいつも少し立ち止まりたくなります。
今年も、もう三分の二が過ぎたのだと思うからです。

年の初めには、
「今年はこうしよう」
「こんな一年にしたい」
と思っていたことも、いつの間にか忘れてしまっていたりする。

思い通りになったことより、
思い通りにならなかったことのほうが、心に残っていることもあります。
けれど、少し考えてみると、
思い通りにならなかったことの中にも、
その時の自分なりに精一杯生きてきた時間があるのだと思います。

誰かのために頑張った日。
家族のことで悩んだ日。
嬉しくて笑った日。
どうしていいかわからず、ひとりで泣いた日。
そして、
「もう少し頑張らなくてはいけない」
と、自分を励まし続けた日。

どれも、その時の自分にとっては大切な一日だったのです。
私たちはつい、
「もっとできたはず」
「もっと優しくすればよかった」
「もっと頑張ればよかった」
と、自分に足りなかったものを探してしまいます。

でも、本当は、
「あの時の私は、あれで精一杯だった」
と認めてあげてもいいのではないでしょうか。

人生は、いつからでも少しずつ変えていける。
けれど、過去の自分を責め続けていると、
今の自分が幸せになることまで難しくしてしまいます。

9月。
夏の賑やかさが少しずつ静かになり、
秋の気配が近づいてくるこの季節に、
私は自分自身にも言ってあげたいと思います。
「ここまで、よく頑張ってきたね」と。
そして、これからは、
誰かのためだけではなく、
自分のためにも時間を使っていい。
嬉しいことがあれば、素直に喜んでいい。
寂しいときは、寂しいと言っていい。
疲れたら、立ち止まっていい。

人生は、何歳になっても終わりではありません。
むしろ、いろいろな経験をしてきたからこそ、
これから見える景色もあるのだと思います。

9月の風が、少し涼しくなった頃。
今年の残りの日々を、
「まだこんなにある」と思うのか、
「もうこれしかない」と思うのか。
私は、
「まだまだ、やりたいことがある」
と思っていたい。
大きなことではなくてもいい。
美味しいものを食べて、
好きな人と笑って、
行きたい場所へ行って、
心が動くものに出会って。
そして時々、
自分の心の声にも耳を傾けながら。
秋は、少しずつ深まっていきます。

私たちの人生も、
若い頃とは違う色に変わっていく。
その色を、
「老い」ではなく、
「これまで生きてきた証」として、
これからも大切にしていきたいと思います。
9月。
新しい季節の始まりに、
皆さんも少しだけ自分に優しくできますように。
そして、
今年の残りの日々が、
皆さんにとって穏やかで、心あたたまる時間になりますように。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:32 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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