2007年02月アーカイブ

2007年02月28日

愛の形

週末を、一日中、三浦の家で
映画を見て過ごした。
ワイン、チーズ、クラッカー、
ハム、おせんべいを
ベッドルームに運び、
長い長い映画ばかりを
3本も堪能した。

大好きな「ベティーブルー」も、
再び、何年かぶりに見た。

セクシーで、わがままで、
感情的で、繊細な、
ネコのような女性、ベティーは、
私の大切な人。

恋人のゾルグは、
そんな彼女を命を懸けて守り、
愛し続ける。
すべては彼女のため。

ベティーは、それでもひたすら、
彼の作家としての才能を信じ続け、
花咲くことを待ち続ける。
それもまた、命を懸けて。

彼は、彼ができるすべてを
彼女に与えようとし、
心すべてでベティーを愛するのに、
ベティーは、彼の才能が、
世の中に認められることが
愛の証と信じる。

愛する人の才能を、
自分が一番知っているのに、
それを分からない社会を憎み、
苦しみ、発狂する。

男は、彼女との生活という
理想を追い求め、
女は、彼自身のあり方という
現実を追い求める。

ベティーの気持ちが痛いほど分かる。

本当は、本当は、
お金じゃなくて、家でもなくて、
車でも服でもなくて、
しっかりとした男の生き方に
守られていたい。
安心して、ずーっと側にいたい。

これもまた、ベティーの
勝手な理想論なのかもしれないけれど。

でも、人生において、
たった一度でも、その人のやり方で、
愛し抜くことができたら…
それは、真実だと思う。

ゾルグの愛し方、
そして、ベティーの愛し方。
愛し方にも、やはり、
男と女の違いがあるのかもしれない。

長い一日だった。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:31 

2007年02月26日

立春

立春も過ぎ、今年に入ってはじめて
お寺にお参りに行った。

その日は、お札をもらうつもりで
心願成就を祈る。
一心に手を合わせて祈る。

ひたすら、何百回も、
平安と安定を祈り続けた。

このままの状態、
何もこれ以上望まず、
今のままを、すべてに対して
保てるように。

それが幸せだと思った。

そして、家族全員分の
お守りを買った。

宗教は何も持っていないけれど、
日本人としてやはり、
お寺は心が安かった気がした。

普段、なかなかゆっくりとは
会えないでいる家族の顔が
浮かんだ。

私の大切な人たち。

そう、このままで。
ずっと。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:41 

2007年02月23日

小花

一緒にお祝いのための
食事に行った人に、
道の途中のお花屋さんで
花を買ってもらった。

ブルーと白の小花の花束。

その日、ブルーグレーのコートを
着ていた私へのプレゼント。

「写真を撮ってよ」
と言ったら、
思いっきり笑われた。

花を撮ってという意味なのに。

でもちょっと、
少女の気分になれた。

春はもうじきだからね。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:47 

2007年02月21日

For fifiteen minutes

いろんな人種の集まる場所。
それは、国籍のことではなく、
いろんな世界で生きている人が集まる、
ちょっとアウトローのBar。

アンディ・ウォーホルの写真。
プロジェクターからサーフィンの
優雅な映像が流れ続けるスペース。
ジャズのピアノ。
派手なミニスカートの女の子。
飛んでってしまいそうな
ハイテンションのおやじ。
白いマスクのままの女。
毛糸の帽子につなぎを着こなすBoy。
そして、あの人の素敵な作品。

久しぶりのこんな土曜日が
あってもいいと思う。

人は、時に、普通に落ち込み、
また普通に躁状態となる。
その日の私は、
どちらでもなくフラット。
だから、人間ウォッチングができる。

目をギラギラさせた
真っ赤な皮のジャケットの似合う
中年の男性が、
大声で話している。

「Powerなんだよ。
言っているだけじゃ、だめなんだよ。
Powerに行こうぜ!」

横浜の夜は、まさにそう、
こんな感じ。

In the future,
everyone will be famous
for fifiteen minutes.
ANDY Warhol

店を出たら、春の嵐のような雨だった。

私のある日のサタディナイト。

投稿者 椎名 あつ子 : 11:55 

2007年02月19日

子宮

春の雨が、優しく切なく
振り続ける日。

遠い昔に亡くなった人を想う。

今日は、その人の命日。
23年前に、2人の子どもを残し、
この世を去ったその女性の
心の奥の叫びを感じる。
悔しさと、とまどいと、絶望と、
祈り。

母親として、女として、
やり残したその人の人生を、
同じ女性として、
生きているこの私が、
もし受け継ぐことができるとしたら…

そんなことを
真剣に考えていたら、
何故か子宮がうずいてきた。

女は子宮で考える。
そして、子宮で愛する。

女に生まれてよかった。

その人は、そう思えていたのだろうか。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:36 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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