2007年02月アーカイブ

2007年02月16日

領域

夜9:00。
クライアントとのカウンセリングが
終わる時間。
その後、スタッフと
連絡事項について確認しあって、
1日の仕事が終わる。

その後、ワインを飲みながら、
食事の支度などしはじめ、
いい音楽を流してたりして
リフレッシュ。

そんな時でも、SOSの電話は
鳴り響き続ける毎日。

帰る支度をしはじめるスタッフは、
また電話をとってくれる。
電話の向こうの声は、
言葉にならず泣きくずれていたり、
物を投げ続ける娘を
止めることで必死な母親の、
おびえる姿だったり、
薬を飲みすぎて、もうろうとして、
助けを求める切ない姿だったり…

精神科のドクターと、
協力体制を持っているはずでも、
病院はどこも終わっていて、
救急の病院さえも
どこも断られ続けられ、
行く場所はほとんどない。

そんな夜の時間。

「自殺者を決してつくらない」
ことを信念に守り続けて
8年になろうとするけれど、
一瞬の油断も許されない毎日を過ごす中、
カウンセラーの領域について考えた。

薬、病名については、
私たちの領域ではない。
ただ、SOSの場合、
今もらっている薬の中で、
何を飲ませるべきなのか、
どうしたら今の状況を止められるのか、
の指示をするとき、
また、精神障害者年金の手続き、
生活保護を受けている
クライアントの場合はどうなのか…など、
病気以外の問題さえも、
問い合わせや相談を受ける場合が多い中、
どこまでがカウンセラーの領域なのかと
考えさせられる。

毎日の様々なSOSの問題は、
ほとんどの場合、
カウンセラーの領域を越えているのは確か。
駆け込み寺のようになりつつある中、
カウンセラーとは何か、
また、私はどうありたいのかを考えるとき、
やはり私は、
「決して自殺者はつくらない」
と心に誓うことで、
全ての問題が、私の心の中で
解決されていく。

死なせてはいけない。
事故を起こさせてはいけない。

これは、これからも、
私がここにいる間は、
変わることのない信念であること。
もう一度、心に決めた。

そんな1週間だった。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:32 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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