2007年12月21日

大切な人

大切な人のおばあさまが、
突然亡くなった。
彼の母親は、彼が15歳の時亡くなり、
その母親の母であるおばあさまは、
彼にとって第二の母親だった。

おばあさまは、やっと、
天国にいる、娘である彼の母親の
元にいった。
でも、突然すぎた。

この知らせは、カウンセリング中に
スタッフに知らされ、
私は知らないまま、クライアントと
カウンセリングをしていた。
クライアントとのカウンセリングが終わり、
知らされた時、
混乱し、動揺した。

私はクライアントを、
ショックのあまり玄関まで
いつものように見送ることができず、
そのままにしてしまった。
そのクライアントの、
今年最後のカウンセリングの日で、
私に手紙を託してくれていた。

「いい聴き手に出会うことで、
物語は、そこからまた、
新しく始まる。
そして、その人の物語になる。
カウンセラーは、相手の、
出たり入ったりする感情に
寄り添う人。
私の大切なあつ子先生は、
いろんな人の人生に寄り添う人。
……… 」

私は、突然の知らせに動揺し、
彼女に、最後、ありがとうと
言えなかった。
こんな素敵な手紙のお礼を
言えなかった。

クライアントである彼女、
そして、私の友人、
その2人は、同じ大切な人。

でも、同じ時、同時に、
何もできなかった自分を責める。
あなたにも、そしてあなたにも。
思いを伝えられなかった。

その大事なタイミングを
逃してしまったら、
きっと、信頼は、
意味がなくなるのだろう。
でも、私は心から、
この2人を想い、考えている。

あと少しで終わろうとしている今年が、
静かに、そして穏やかに、
幕をおろしますように。

投稿者 椎名 あつ子 : 18:32

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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