2008年01月11日

気の持ちよう

「気の持ちようだから。」

このことばに、
心の病を持つ人は傷付き、
落ち込むことが多いと思う。

今日も、一生懸命治療を続けて、
変わりつつある子が、
ある人のこのことばによって、
絶望してしまった。

インフルエンザにかかって
高熱が出ている人に、
胃潰瘍になって食事が摂れない人に、
糖尿病で薬を飲み続けている人に、
がんの治療を
不安と闘いながらしている人に…
人は、言うだろうか。
「あなた、気の持ちようよ」と。

このことばは、健康な人や、
少し落ち込んでいる人に、
励ましの意味で使うことばだと思う。

うつになって体が動かず、
食欲もやる気も何もないつらい人に、
うつになったことがない人が、
安易に言うことで、
どんなことが、
その言われた人に起こるのか、
知って欲しい。
どんなにか無責任なことばであるかを
知って欲しい。

それは、たとえ、
親でも、学校の先生でも、恋人でも、
悩んでいる人に言っていいことばと、
決して言ってはいけないことばがある。
そしてまた、そのことばを
言われてしまって、
傷付いている人に、伝えたい。

「負けないで。
いつか必ず、克服できるから。
その時、あなたは、
病気を知らない人よりも
強くなっているからね。」

心の病気が、成人病のような、
誰もがなる可能性を
持つようになった現代社会で、
このことばを使っている人が多い中、
強く言いたい。
今日は。
あらためて。

「あなた、遅れてますよ。」

投稿者 椎名 あつ子 : 16:52

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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