2008年02月アーカイブ

2008年02月01日

ADHDとは ~子どもの場合・大人の場合~

先日の朝日新聞朝刊に、
ADHD(注意欠陥・多動性障害)について
大きく書かれていた。

ここ横浜心理ケアセンターにも、
子どものADHDから大人のADHDまで、
その特有な症状に悩まされ、
相談してくる人は何人もいる。

子どものADHDの場合は、
落ち着きがなく、集中力、判断力が低いために、
勉強が、回りの子についていけなかったり、
また、忘れ物が多かったり、
規則やルールが守れず、衝動的に行動することで、
怪我や事故も多く、
学校の中でも目立ちやすく、
先生にも注意されることが頻繁になり、
自信を失ってしまったり、
また、人を信じられなくなったりして、
学校に行けなくなるといったケースもよくある。

昔、私が子どもの頃は、
ADHDといった症状の名前が知られていなく、
ただ、何となく落ち着きのない、
やんちゃな子どもとして、
小さいときはどこにでもいるといった目で
見ていた気がする。

ところが、アメリカではもうすでに、
そういった子どもへの対応の治療が始まっており、
今から20年前ぐらいからは、
ADHDの子ども専門の先生や、アドバイザーが
存在していた。
日本は非常に遅れており、
今現在も、ADHDに関してアプローチしてくれる
機関も専門医も少ない。
唯一、リタリンという薬が処方され始めていたが、
この薬も今は、製薬国からの規制が
厳しくなっている。

大人のADHDは、子どもの頃から持っていた症状が、
改善されないまま放置されていた結果でもあるのか、
仕事上、また、家庭生活の中で大きな支障となり、
非常に生きづらさを感じている人も少なくない。

ある大人のADHDの方は、
彼女はとても明るく社交的で、
仕事への意欲もある。
ただ、物忘れがひどく、
たとえメモをとって忘れないようにしても、
そのメモをなくしてしまったり、
メモを書いたことすら忘れてしまう。
また、大切な書類を、
さっきまで持っていくことを覚えていても、
出る前に電話が鳴ったり、トイレに行った時点で、
すっかり抜けてしまい、
家に置いてきてしまったりで、
上司にことごとく叱られてしまう。
そのことで、仕事場では信頼を失い、
クビになってしまい、
精神的にも大きなダメージとなってしまっている。

まず、ADHDの症状について、
普通の感覚ではなかなか分かりづらく、
理解してもらえないため、
ここ、センターでは、
子どもの場合でも、大人の場合でも、
家族の方にきちんと説明をし、
伝えていくためのカウンセリングを行い、
その中で、その人の状態に合ったプログラムを組み、
トレーニングをしている。
細かい指示、ルールに従って、
ひとつひとつ確認する作業になっていくが、
その中で必要なのは、
本人、そして家族が、あきらめず、
この状態を受け入れることから
始まる気がしている。

ADHDの症状は、人さまざまではあるが、
他の人と比べて、飛び抜けて何かができるといった
才能が潜んでいたりもする。
たとえADHDであっても、その才能を見付だし、
その見えない力を最大限に引き出していくことも、
まずプログラムに取り入れ、
努力している最中である。

もしお子さんが、回りの子どもと違って
育てにくかったり、
接し方が分からないような場合は、
まずカウンセリングや精神科で
相談を受けることをすすめたいと思っている。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:28 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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