2008年10月アーカイブ

2008年10月06日

かえるの子はかえる

ある日のカウンセリングで感じたこと。

トンビがタカを生むという諺もあるけれど、
それは稀な話で、
自分の子どもを理想化し、
期待しすぎて、
子どもがプレッシャーで
壊れてしまっているケースを
時々目にする。
もちろん、親は、
自分がしたくてもできなかったことや、
してもらえなかったことを、
自分の子どもには与えてあげたいと
思っていると思う。

お金がなくて大学に行けなかったとか、
両親が教育に無関心であったとか、
過去の自分の環境を思い返して、
子どもにだけは、
そんな思いをさせたくないと考える。

でもそれが、果たして、
その子のためになっているのかということ。

親の抱いてきた思いは、
時にその人のコンプレックスであり、
子どもに、そのコンプレックス解消を
知らぬ間に要求してしまっては
いないかということだ。

子どもが、大学を中退してしまったとか、
転職を繰り返し、フリーターをしているとか、
借金を抱えているとか、
確かに、情けないと
親は思うかもしれないけれど、
かえるの子はかえる。
つまり、自分たちが若かったとき、
あの頃、自分はどうだったか?

本当に真剣に勉強していたか、
人に迷惑をかけていたことはなかったか、
自分たちはそんなにも素晴らしかったのか、
私たち親は、親の立場だけではなく、
若かった頃の自分と照らし合わせて
自分の子どもを見守っていきたいと
感じている。

子どもは、親の本来の姿を
ちゃんと見抜いているから。

「かえるの子はかえる」

本当は、それがいちばん自然で、
愛しいはずであることを考えていきたいと、
私は思っている。

投稿者 椎名 あつ子 : 18:31 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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