2016年03月アーカイブ
2016年03月31日
花
花が咲いている。
花とは見るもの。
感じるもの。
感動の中から自然に言葉が生まれる。
ある気持ちに私が入っていったとき
その気持ちをずっと大切に
離れないように。
その気持ちが刻々と
変わることなく
どこまでもどこまでも続く
今の生活が変わったって
今の環境が変わったって
つまずいたって
立ち上がったって
その気持ちが変わらないこと
そんな世界が1つだけでもあれば
いいと思った。
春の花を見ると
いつも毎年変わらない気持ちで
観ている自分に気づいた。
そして、ずっとずっと昔から、
変わらない気持ちで観ている私も存在している。
どこまでも続く気持ちの1つだと
思った。
2016年03月29日
中華街
ここ横浜心理ケアセンターは、
中華街まで歩いて3分のところにあります。
仕事が終わってから、
時々、一人でふらっと出かけます。
夜の中華街は、
観光客もいなくひっそりとしていて、
それは少し怖い感じがするくらいです。
大きな中華料理屋はすべてシャッターがおりていて、
地元の人たちや、
中華街で働いて帰る人たちが
帰り道に立ち寄る小さな店しか開いていません。
私もその小さなお店で
遅いご飯を食べるわけです。
そんな小さなお店は、
中国人のお父さんお母さん娘さんが
家族ぐるみでやっているような所です。
その日も、たどたどしい日本語で
「お姉さん、こんばんは。
今日は遅いね。」
と声をかけてくれました。
いつもデザートに
「はい、サービスね」といって
小皿の杏仁豆腐を出してくれたりして、
とても暖かいお店です。
静まりかえった中華街で、
そんな優しいほっとする空間に出会える時が
私は好きです。
ここにいると、私たち日本人と中国人は、
実は、本当は分かり合えたり、
理解し合えたり、
許し合えたり
するのかもしれないのにと、
思ったりします。
政治レベルで考えれば、
大きな壁がそこにはあるのだと
わかりながらも、
彼らの力強くたくましい笑顔に、
満たされている自分がいました。
まだまだ肌寒い夜の中華街でした。
2016年03月22日
お弁当
ある人が、自分の作ったお弁当を
見せてくれました。
それは、
昔なつかしいアルミのお弁当箱で
バンビの絵が描いてありました。
中には、
卵やこんにゃくや野菜たちが
きれいにちゃんと並んでいました。
彼女は、これから、
公園で一人で自分のお弁当を
味わうらしいのです。
私も、ふと、昔小さかった頃、
母が作ってくれたお弁当を
思い出してみたりしました。
お弁当箱がどんなであったか
思い出せないのですが、
中身は・・・
正直、あまり嬉しくなかった記憶があります。
前の日の夕食の残り物がほとんどで、
きんぴらごぼうとか、
さつまいもの煮物とか、
野菜の天ぷらとかで、
お弁当はほとんどが茶色一色でした。
もっとかわいい色とりどりのお弁当が
いいのにと思いながら、
少しがっかりしながら食べたことを
思い出しました。
昔は冷凍食品もなかったし、
お弁当の飾り入れもなくて、
しかも、夕飯は、
野菜の煮物や煮魚や炒め物が多く、
ご飯には卵をかけたり、
のりの佃煮で食べたりで、
質素であった気がします。
たしか、ハンバーグや鶏のから揚げは
何かイベントの時だけだったと・・・。
学校から帰ってのお菓子も、
ゆでたとうもろこしとか、
ふかしたさつまいもや、
食パンの耳を揚げて
お砂糖をまぶしてあったり、でした。
今考えると、
本当に身体に良い物ばかりを食べていたのだと
思います。
お弁当は茶色でも、
ローカロリーで健康的であったのだと
思ったりしました。
私自身、今でも時々は、
娘たちの会社に持っていくお弁当を
作ったりしますが、
どれだけきれいか、かわいいかを
気にしている自分がいることに
気づきました。
明日は、
彼女たちがお弁当を持っていく日ですが、
茶色一色の昔のお弁当に
少しいじわるしてやってみようかな。
お弁当ってなんかほっこりすることばだなと
思った日でした。
2016年03月15日
答
問いかけたいことは
もうなくなっていた
答が分かったからではなく
答が分からないことが
答だと知ったから
谷川 俊太郎
この詩を読んだとき
谷川俊太郎はいくつのとき
この感覚を知ったのだろうと思った。
原発も復興も国の責任も、人の命も、
いじめにより自殺する子供たちや、
意味もなく簡単に人を殺す若者、
毎日のニュースや新聞で
たくさんのおびただしい現実を知ると、
どうして、何故、と問いかけたいことばかりだ。
一つ一つの事実に答はないのだろうし、
どうすれば、解決するのか
そんな簡単なことでもない。
ニュースを見ても、新聞を読んでも、
どこまでが正しい情報で、
何を信じればいいのか、
腑に落ちないことが多すぎる。
ただ、私たち一人一人が、
人の言葉や情報に流されるだけでなく
今の現状を
自分で自分の感覚で知ろうとする
学ぼうとすることで、
自分の中で、
その意味をゆっくりと知ることが
できるのではないかと思っている。
答がわからないことが答だと
今の私には、まだまだ、
納得できる年齢ではない気がしている。
ただ、起きた事実に対して
言葉にならない叫びを
自分の生活に置き換えて、
何が今の私には足りなくて、
何が今の私には十分すぎるのか、
考えてみたいと思う。
谷川俊太郎のことばは深すぎて、
まだよく理解できない自分を知った日となった。
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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