2016年03月15日

 

問いかけたいことは
もうなくなっていた
答が分かったからではなく
答が分からないことが
答だと知ったから
       谷川 俊太郎

 

この詩を読んだとき
谷川俊太郎はいくつのとき
この感覚を知ったのだろうと思った。

原発も復興も国の責任も、人の命も、
いじめにより自殺する子供たちや、
意味もなく簡単に人を殺す若者、
毎日のニュースや新聞で
たくさんのおびただしい現実を知ると、
どうして、何故、と問いかけたいことばかりだ。

一つ一つの事実に答はないのだろうし、
どうすれば、解決するのか
そんな簡単なことでもない。

ニュースを見ても、新聞を読んでも、
どこまでが正しい情報で、
何を信じればいいのか、
腑に落ちないことが多すぎる。

ただ、私たち一人一人が、
人の言葉や情報に流されるだけでなく
今の現状を
自分で自分の感覚で知ろうとする
学ぼうとすることで、
自分の中で、
その意味をゆっくりと知ることが
できるのではないかと思っている。

答がわからないことが答だと
今の私には、まだまだ、
納得できる年齢ではない気がしている。

ただ、起きた事実に対して
言葉にならない叫びを
自分の生活に置き換えて、
何が今の私には足りなくて、
何が今の私には十分すぎるのか、
考えてみたいと思う。

谷川俊太郎のことばは深すぎて、
まだよく理解できない自分を知った日となった。

投稿者 椎名 あつ子 : 11:55

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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