2007年03月アーカイブ

2007年03月23日

企業とメンタルヘルス

先日、横浜市商工会議所主催の
「メンタルヘルスケアセミナー」に
参加してきました。
有能な人材を失わないために、
心のケアによる職場での危機管理において
どうするべきかといった内容の
講演会でした。

思ったよりも多くの人たちの参加に、
驚きと安心を感じました。

私がこの事務所を開設した頃は、
まだメンタルケアについて
考えてくれる企業は本当に少なく、
外資系企業しか耳を傾けて
くれてはいなかった現実があったのです。

そんな中で、いくつかの質問が、
講師の方に向けてあったのですが、
印象に残った中に、

社員がどうも精神的に問題が
出ているようだと上司が感じた時、
上司はどういったアプローチを
社員にすべきか

といった内容のものがありました。
つまり、上司から、
「君、最近様子が変だから、
精神科に行ってきた方がいいよ」
とは言えない、ということなのです。

本人が、自分で気付いていても、
精神科には行き辛い中、
他の人から言われたショックは
どんな影響をもたらすかといった
問題でもあるようでした。

事実、そういった相談は、
私のところでもよくあります。
上司が気にして、部下を、
病院ではないカウンセリングに
連れてくるケースもありますし、
本人が上司を連れてきて、
今の状態をカウンセラーから
話してほしいといった相談もあります。

企業には産業医が常勤しているケースも多く、
ただ、その産業医から上司に
すべて伝えられてしまっては、
出世に影響が出たりするのではないか、
異動や転勤をされては困るといった
不安が先に出てしまい、
守秘義務がどこまで守られているのかが
分からないため、
会社の産業医には行けないといった
言葉もよく聞きます。
本音と建前の社会の中での迷いが、
病気を悪化させてる場合も多いと感じます。

そういった悩みを持った人たちが、
まずカウンセリングに行って、
今の状態を知り、
投薬の必要性があるのか、
今の状態を変えるには、
今後どうしたらいいのかを、
ためらわず聞いてみることを
勧めたいと思っています。

少しずつ、企業がメンタルケアについて
目を向けるようになった今、
病院に行く前に、
まずカウンセリングといった方法も
あるということを、
今後、私も企業に向け、
セミナーを行うことによって
伝えていくことが必要であると実感した、
貴重な時間でした。

投稿者 椎名 あつ子 : 18:40 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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