2008年05月23日

秘伝の味

その日の夜、突然、
何人かが集まり、
夕食を一緒にすることとなった。

私は、うどんに決めた。

我が家のうどんは、
父から教わってきたもの。
昔、日曜日のお昼というと、
父がうどんのつゆを作ってくれていた。

ひとつは、大きめに切ったなすを炒め、
しょう油と砂糖とだしで
味付けしたつゆ。
もうひとつは、油あげと、
豚肉の細切れと、
ねぎをたくさん入れたつゆ。

この2品種の温かいつゆに、
つめたいざるうどんを
つけて食べる。
田舎の味。

これは、最近なくなった祖母が
よく作っていたらしく、
それを父が受け継ぎ、
そして、この私に受け継がれた、
秘伝の味。
他の人の口に合うかは分からなくても、
私は、うどんというと、
なつかしくて作ってしまう。

父から受け継がれたもので、
私に確実に残っていると思えるものが、
うどんのつゆとは…
少し笑える。

おふくろの味とはいうけれど、
これはまさに、おやじの味。

親から子へ受け継がれるものは、
ある意味、自分のルーツの
あらわれである気がしている。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:43

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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