2007年07月04日

映画

それは、毛穴が広がるほどの
突然だった。

私が20代前半の頃の恋人から、
電話があった。

私の写真を広告で見て、
仕事場に電話してきた。

嫌いで別れたわけではなかった。
携帯もパソコンもない時代で、
遠距離恋愛など、
信じられなかった。
彼が勉強で、京都に行くことを機に
別れた。

別れは、横浜のコーヒーショップ。
私は、信じられないくらい
泣いた。
泣きながら、別れを言った。

あれから果てしなく時が流れ、
その人は、ペインクリニックの
院長になっていた。
痛み専門の病院だ。
私の仕事も、心の痛みよ。

3年ぶりに、また連絡があった。
横浜に来るから、
食事でもしようという電話。

この日は、私はN.Y.にいる。
スケジュールが合わなかった。
「やっぱり、合わない二人なんだな。」

私は笑いながら、
「会わない方がステキよ。」
と話した。

なんか、いい気分だった。
映画みたい。

こういう関係って不思議ね…と、
ひとりでつぶやいた。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:11

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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