2006年08月21日

手紙

今日、長い手紙が届いていました。
遠い昔、私のところへ通ってくださっていた
クライアントさんからでした。
入院している病室で書いたものらしく、
その手紙の内容は、彼女の今の状態を
切々と伝えてくださっていました。

「椎名先生に会いたいです」
と、長い手紙の最後のページに書かれていた
文字の乱れに、私は心を痛め、
不安で不安で、目の前が真白になる思いでした。

彼女のこの半年間の限界に近い日々を知るうちに、
彼女との深い深い、過去の解放のための
カウンセリングの時間を、
ひとつひとつ思い出していました。

静かに目を閉じて、あなたはおびただしい苦しみを
淡々と話していました。
インナーチャイルドの解放のためのカウンセリングで、
子どもの頃のあなたは、最初、長い間おびえていました。
しかし、少しずつ少しずつ、
無邪気な子どもらしさを取り戻したとき、
「大きな重い鉄のドアが開いたようです」
と、私に伝えてくれましたね。

あれから時が過ぎ、突然の手紙でした。
私は焦る気持ちを抑えられず、昔のカルテを出して、
とにかく連絡をしようと思ったのですが、
引っ越した今の彼女の居場所の電話は分からず、
私は絶望しました。

でも、その時、感じたのでした。
とにかく、昔の電話番号にかけてみよう。
きっと、きっとつながる…

電話はコールをし続け、聞き慣れた声…
そう、娘さんでした。
私は、電話がつながったことで、
興奮していました。

「お母さんが入院してるって、お手紙を読んで…」

「母は大丈夫です。退院しています。
 今、ここにいます。代わりますね。」

あぁ神様、ありがとうございます。
その瞬間、何度、心の中で叫んだでしょう。

彼女との電話での話はヒミツですが、
近いうちに会おうと思います。

M.Oさん、私も本当に会いたいです。
きっと、このブログは読んでいてくださると思います。
だから、ここで伝えます。
遊びに来てください。
近いうちにまた、連絡します。
お手紙を下さって、本当にありがとうございました。

そしてM.Oさん、私はここにいます。
いつも、そしてこれからも。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:48

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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