2006年08月アーカイブ

2006年08月25日

MyWay~現在の精神医療とカウンセリングについて考える~①

私が独立して、ここ横浜心理ケアセンターを開いて、
7年の月日が経ちました。
さまざまなクライアントと接している中で、
7年前の精神医療とカウンセリングの在り方、そして
今のそれぞれの立場の状態の違いを
改めて考えさせられる日々です。
そんな中で、私の中での問題でもある課題について
書こうと思いました。

確かに7年前と比べて、精神科、心療内科、
そしてカウンセリングに訪れる人が
増えたことは事実で、
そこについては、昔のような偏見のない世界が
できつつあることは、非常に嬉しく思っています。
しかし未だに、精神科、心療内科で
悩みについて、また症状について、
話をきちんと聞いてもらうことができ、
薬を処方されると思っている人たちが
たくさんいます。
初めて精神科などの病院を訪れる人たちは、
不安の中、治るかもしれないという期待を持ち、
勇気を出して門を叩くのです。

しかし、今の病院での現状は、
2時間待ちの3~5分診療であり、
ゆっくり話を聞いてもらえるところは
ほとんどありません。
もちろん、それだけ現代の社会に
心を病んでいる人たちが多く、
今や現代病となりつつあり、
誰もがかかる可能性のある病気で、
普通の風邪と同じレベルになっていることであるという
表れでもあります。

私は、薬を飲むことは必要であると思っています。
薬が絶対必要なクライアントは数多くいらして、
薬を使うことで、今の状態を安定させることが
まず何よりも大切である場合があるからです。
しかし、その人の個々の中の
深い本当の部分での怒りや苦しみや、
捉われて忘れられない過去や、
固執した考え方、
人間関係での生き辛さ、
不登校の原因、
夫婦の壁やセックスレス、
嫁姑のやるせない問題、
今騒がれているニートの人たちの問題などは、
決して薬だけで変わることはできません。

人は心の中の問題がストレスとなり、
抱えきれなくなったとき、
コップの中の水が溢れ出すように、
こぼれだしてしまうのです。
こうして、体や心に症状が現れ出します。
私は、こういったさまざまな根底にある
問題を解決していくことは、
まず自分を知ることからすべては始まり、
起きてしまった様々な問題への
今まで執着していた考え方を、
違ったものの見方ができる方向へと導くと共に、
必要な精神分析を行なうことで、
その人は再発することの少ない精神力を
身につけていくのだと思います。

私たちはここで、そういった人たちと、
医療にはない、時間をかけた、
その人その人に合ったやり方を見つけ出していくことに、
使命感に近いものを感じています。

これが、私流のカウンセリングなのです。

※「MyWay~現在の精神医療とカウンセリングについて考える~」は、
何回かにわけてまた書きたいと思います。
よろしくお願いいたします。

~講演会のお礼~

8月25日野毛地区センターにて、
「子どものSOSが聞こえますか」と題しての
講演を行ないました。
今日は、大勢の皆さまにお集まりいただきました。
今後も地域の皆さまと直接関わらせていただける
このような機会を、
どんどん設けたいと思っております。
ご参加いただいた皆さま、
ご尽力いただいた野毛地区センターの皆さま、
本当にありがとうございました。
この講演に関しては、
また後日、このブログでご報告します。
よろしくお願いいたします。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:03 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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