マイウェイ 女性カウンセラーのプチ・エッセイ

ある高校生の恋愛の相談にのりました。

受験を控えている彼女は１７歳、
その子の彼は１６歳。
ふたりの世界では、
大人の恋のお話です。

信じていた彼に再び裏切られ、
今まで許し続けていた彼女にとって、
今度のその事件は、
大きな大きな、今までにない裏切りでした。

彼女は、彼との別れを決めました。

ひどいよ、ひどいよ、ひどいよ
と何回もメールで悲しみを訴えたあと、
「大キライ」と書きました。

大キライと書いたあと、しばらくして、
急につらくなりました。

こんなに好きなのに。
まだ好きなのに。
でも許せない。
でも好き。
でも勉強をしなくてはいけない。
でも許したい。
許したら、また傷つくかもしれない。
でも強くならなくちゃ。
強くなりたい。
でも悲しすぎる。
会いたい。
会いたい。
会いたい。

この子は葛藤しながら、
クリスマスイブまで距離をおいて、
一度、別れることにしました。
もし、クリスマスイブまで、
彼が変わらないでいてくれて、
心の傷を理解してくれて、
自分も癒されたら、
イブの日にディズニーランドに
ふたりで行くことに決めました。

「恋の終わりは追わないこと。
　だから美しいのよ。」

そんな大人の言葉は、
私の中にしまっておきました。

このふたりにイブは来るのでしょうか。

次のとき、彼女の指からは、
彼からのプレゼントの指輪は
消えていました。

少しだけ大人になった彼女は、
とても優しい瞳をしていました。