2007年03月アーカイブ
2007年03月30日
開幕戦
どんよりとした空に
切ない雨がひたすら降りしきる朝。
いつもより早く目が覚めた。
一生このままなのではないかと思わせる
厚い雲を見ながら、
「今日はスタジアムで
野球の開幕戦なのに。」
と絶望を感じた。
あのスタジアムで、
崎陽軒のしゅうまい弁当を食べながら
絶叫したかった。
始まりは、いつもどんなときも、
ほどよい緊張と胸の高まりが
押し寄せてくる。
でも、この天気では、
もう希望も何もないと感じながら、
うらめしい気持ちのまま
朝のコーヒーを飲み続けていた。
昼が近付いてくるうちに、
あの厚かった雲が消え、
空は薄い水色へと変化し始めた。
遠慮しがちに
光が射し始めた。
ベランダの花が歌い始めた。
私の心も動き出した。
「開幕戦へ!」
なんか、いい感じ。
人生、捨てたもんじゃないさと、
単純にも、私の中で
笑顔が戻ってきた気がした。
2007年03月28日
春の息吹き
今日の夕飯は、
春野菜の天ぷらに決めた。
緑色をきちんと尊重している
小さなふきのとうを見ていたら、
春の大地の息吹きを感じた。
それと、けんちん汁も作ろう。
たくさんの野菜を
おなべに放り込む。
私の体の
エネルギーとなるように。
春のちからに
負けないように。
2007年03月26日
詩集
何冊かの本を買った。
その中の1冊、
谷川俊太郎詩集。
彼の詩が、少しずつ、
時と共に変わっていく。
両親の死、恋、離婚、再婚、
そしてまた離婚、
自身の老い…
本の後につづられる年譜と共に、
彼の生活の体験が、
確実に彼を変えていく。
詩集の中にあった
思春期心身症と呼ばれる
少年少女に向けた言葉が
私の心の中に入ってきた。
突然の日の出の一筋の光が
瞳の中に入り込むかのようだった。
衝撃を受けた。
やわらかいいのち
という詩だった。
私たちの生きる証
怒りながら哀しむ
戸惑いながら決意し
突き放しながらしがみつき
拒みながら待ち続け
謝りながら責める
途方に暮れながら主張し…
どこへ行こうとしているのか
それでも私たちはやわらかい
自身のいのちに帰るしかない…
やわらかいいのち…
なんと優しい言葉だろう。
そう、この詩を書いたのは、
谷川俊太郎が新しい恋人と
長い同棲にピリオドを打ち、
結婚したとき。59歳。
人は変わる。
たとえ偉大な詩人でも、
決断は人を大きく変える。
その後も、彼は変わり続け、
今でも言葉を大切に生き続けている。
静かな、眠れない夜に
ぴったりな詩集だった。
2007年03月23日
企業とメンタルヘルス
先日、横浜市商工会議所主催の
「メンタルヘルスケアセミナー」に
参加してきました。
有能な人材を失わないために、
心のケアによる職場での危機管理において
どうするべきかといった内容の
講演会でした。
思ったよりも多くの人たちの参加に、
驚きと安心を感じました。
私がこの事務所を開設した頃は、
まだメンタルケアについて
考えてくれる企業は本当に少なく、
外資系企業しか耳を傾けて
くれてはいなかった現実があったのです。
そんな中で、いくつかの質問が、
講師の方に向けてあったのですが、
印象に残った中に、
社員がどうも精神的に問題が
出ているようだと上司が感じた時、
上司はどういったアプローチを
社員にすべきか
といった内容のものがありました。
つまり、上司から、
「君、最近様子が変だから、
精神科に行ってきた方がいいよ」
とは言えない、ということなのです。
本人が、自分で気付いていても、
精神科には行き辛い中、
他の人から言われたショックは
どんな影響をもたらすかといった
問題でもあるようでした。
事実、そういった相談は、
私のところでもよくあります。
上司が気にして、部下を、
病院ではないカウンセリングに
連れてくるケースもありますし、
本人が上司を連れてきて、
今の状態をカウンセラーから
話してほしいといった相談もあります。
企業には産業医が常勤しているケースも多く、
ただ、その産業医から上司に
すべて伝えられてしまっては、
出世に影響が出たりするのではないか、
異動や転勤をされては困るといった
不安が先に出てしまい、
守秘義務がどこまで守られているのかが
分からないため、
会社の産業医には行けないといった
言葉もよく聞きます。
本音と建前の社会の中での迷いが、
病気を悪化させてる場合も多いと感じます。
そういった悩みを持った人たちが、
まずカウンセリングに行って、
今の状態を知り、
投薬の必要性があるのか、
今の状態を変えるには、
今後どうしたらいいのかを、
ためらわず聞いてみることを
勧めたいと思っています。
少しずつ、企業がメンタルケアについて
目を向けるようになった今、
病院に行く前に、
まずカウンセリングといった方法も
あるということを、
今後、私も企業に向け、
セミナーを行うことによって
伝えていくことが必要であると実感した、
貴重な時間でした。
2007年03月21日
花粉症とうつ
花粉症が、ここ2、3日
ひどくなってきた。
毎年のことだけど、
やはりこの時期は憂うつになる。
春が近付いてきていて、
大地も空も
とてもエネルギッシュな時なのに、
どうも外に出ることに
勇気がいる。
何か体はだるいし、眠いし、
イライラするし、目はかゆいし、
鼻水はひっきりなしに出て、
休む暇もない。
夜の睡眠も妨げられることは
よくある。
無気力というほどまでは
いかないけれど、
思考能力も低下する気がする。
もちろん、集中力は、
連続のくしゃみで壊される。
うつ病の人と比べるのはとても失礼で、
辛さはあまりにも違いすぎるけれど、
この症状もまた、現代病だ。
精神が弱いから起こるという
ものではない。
誰でもいつかは起き得るものである
というところは、全く同じ。
今、花粉症でない人も、
うつになってない人も、
いつかなり得る症状であるわけだ。
花粉症です。
ということは抵抗がないように、
うつ病です。
と偏見がなく伝えられることに、
抵抗がない時代が来てほしいと思う。
花粉症の薬を堂々と飲めるように、
うつの薬を飲める環境がほしい。
これは、人々の、症状への理解なのだと
痛感する。
うつは、誰もがなり得ること。
あなたも、私も。
弱いからでも、
怠けているからでもなく、
その人の心の器に
ストレスがいっぱいになって、
こぼれだしたとき、
なるものであるという、
優しい、思いやりの気持ちを、
まだなっていない人も
感じてほしいと思っている。
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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