2006年09月アーカイブ

2006年09月15日

絡み合う感情の中で

ハートセラピー横浜という、
第2のルームをオープンする前から、
私の大切な知り合いの何人かが
伝えてきてくれた言葉があります。
言葉は少し違っていたと思うのですが、

「エステのような感覚で、
 リフレクソロジーのような感覚での
 カウンセリングは必要だけれど、
 苦しんでいる人たちから見たら、
 新しいホームページを見て
 苛立つことなのではないか」…と。

私は、この言葉を私に真正面から伝えてくれた
その人たちに心からありがとうと伝えたいのです。
私が、新しいルームをオープンする上で、
一番悩み、葛藤したことのひとつで
あったからでもあります。
分かっていたことなのです。
こういった意見があることも。

でも私はやはり、真正面から
皆さんに伝えたいのです。
その人たちに伝えたように。

長い間、2年以上、現在のカウンセリングの
あり方を考えてきた中で、
私はまだ、世間から見て敷居の高いカウンセリングや、
偏見の中でのカウンセリングが変わらなければ、
苦しんでいる人、悩んでいる人、
絶望の中でも変わろうとしてきている人たちは、
理解されないのです。
浮かばれないのです。
やはり、
「カウンセリングに行くようになってしまったのね」
と言われ続けるのです。

先日、働く女性が仕事の悩みで訪れたとき、
「カウンセリングに、やはり今日は来てしまいました」
と話し始めたので、私は、
「『来てしまいました』ではなく、
 『来ました』と胸を張って言ってほしいの」
と伝えたのです。
何故なら、カウンセリングを受けることが
もう始まりであり、
前向きな行動だからです。
彼女はほっとした表情で、うなずいてくれました。

でも事実、日本の精神医療を含め、
カウンセリングは、まだまだ遅れているのです。
私の生涯の目標でもある
欧米のような、あたり前のカウンセリングを
目指したいのです。

転職したからカウンセリング、
結婚したからカウンセリング、
子どもが産まれたからカウンセリング、
環境が変わったからカウンセリング…
といった、顧問弁護士と顧問カウンセラーを
付けることが、ステイタスのような欧米社会が、
早く日本に訪れること。

そのとき、人は心の病気になる前に、
もっともっと早く、ストレスケアとして
予防できるのですから。
薬を飲む前に、予防できるのです。

私は、ここに来るクライアントさんを、
新しいルームを作ったからといって、
見捨てたのではなく、
一緒に闘っている気持ちなのです。
私にとっても、日本での精神医療のあり方と、
闘っているのです。

私は、今ここに来ている
たくさんのクライアントさんの個々の能力を、
いつか必ず引き出していきたいと思っています。
彼女たちみんなが持っている、
繊細さと、優しさと、
人に対して人一倍考えることのできる心遣いを、
もっともっと大切にした上で、
もっともっと力を抜いて生きられるように
サポートしていきたい。
心から。

だから私は、ここで仕事をし続けていくのです。

横浜心理ケアセンターは変わりません。

そして、ハートセラピー横浜は、
これからの新しい形のカウンセリングであり、
この形が必要な時期であると考えています。

ここ日本において、
そして、私の生き方において。

私自身、スタッフも含め、
新しいルームのオープンが、
輝いたものだけでなく、
やっとの思いで出来上がったものであること、
そしてその先にある大きな壁を感じていることを、
正直に伝えたいと思っています。

それでも、スタートはどんなときでも
素晴らしいことです。

私はそう感じています。

投稿者 椎名 あつ子 : 12:14 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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